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最終更新日:2006.10.16

役員・代表会員・歴代会長

 

平成18年度 情報処理学会 役員名簿

※リンクは改選時の略歴・抱負
役職名 担当職務 氏名

学会以外での現職名

就任年月日 学会勤務
会 長 法人 代表 安西 祐一郎 慶應義塾 塾長 平成17年5月20日 非常勤
副会長 会長
補佐
旭 寛治

(株)日立テクニカルコミュニケーションズ 代表取締役社長

平成17年5月20日 非常勤
副会長 会長補佐 中島 秀之

公立はこだて未来大学 教授/学長

平成18年5月30日 非常勤
理 事 国際/企画 青山 幹雄

南山大学数理情報学部情報通信学科 教授

平成17年5月20日 非常勤
理 事 事業 阿草 清滋

名古屋大学情報科学研究科 教授/研究科長

平成17年5月20日 非常勤
理 事 会誌 石田 亨

京都大学情報学研究科社会情報学専攻 教授

平成17年5月20日 非常勤
理 事 教育 富田 悦次

電気通信大学電気通信学部情報通信工学科 教授

平成17年5月20日 非常勤
理 事 電子化 萩原 兼一

大阪大学大学院情報科学研究科コンピュータサイエンス専攻 教授

平成17年5月20日 非常勤
理 事 調査研究 橋田 浩一

独立行政法人産業技術総合研究所情報技術研究部門 副部門長

平成17年5月20日 非常勤
理 事 総務 平川 秀樹

Chief Technology Officer Toshiba of Europe Ltd.

平成17年5月20日 非常勤
理 事 論文誌 平田 圭二

NTTコミュニケーション科学基礎研究所 特別研究員

平成17年5月20日 非常勤
理 事 財務 前田 章

(株)日立製作所システム開発研究所 所長

平成17年5月20日 非常勤
理 事 調査研究 今井  浩 東京大学情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻 教授 平成18年5月30日 非常勤
理 事 教育 岡本 栄司

筑波大学大学院システム情報工学研究科 教授

平成18年5月30日 非常勤
理 事 総務/電子化 勝山 光太郎

科学技術振興機構 研究開発戦略センター

平成18年5月30日 非常勤
理 事 論文誌 坂井 修一

東京大学大学院情報理工学系研究科電子情報学専攻 教授

平成18年5月30日 非常勤
理 事 財務 玉置 政一

(株)NTTデータITマネジメント室 室長

平成18年5月30日 非常勤
理 事 調査研究 中島  浩 京都大学・学術情報メディアセンター 教授 平成18年5月30日 非常勤
理 事 会誌 長谷川 亨

(株)KDDI研究所 執行役員/IP・ネットワーク分野担当

平成18年5月30日 非常勤
理 事 企画 松井 くにお (株)富士通研究所ナレッジ研究センター 主管研究員 平成18年5月30日 非常勤
理 事 事業 村山 優子

岩手県立大学ソフトウェア情報学部 教授

平成18年5月30日 非常勤
理 事 国際 安信 千津子

(株)日立コンサルティング

平成18年5月30日 非常勤
監 事 監査 水野 忠則 静岡大学情報学部 教授/情報学研究推進室長,理工学研究科副研究科長 平成17年5月20日 非常勤
監 事 監査 調  重俊 東芝情報システム(株) 取締役付き 平成18年5月30日 非常勤

※以上、国家公務員出身者(本府省課長・企画官相当職以上および地方支分部局の本府省課長・企画官相当職以上の経験者)の該当はありません。 また、役員報酬の支給はありません。

■役員区分 

 候補者名(ローマ字)(出身校学部卒年)
 勤務先および役職名(平成18年5月現在)
 改選時の略歴・専門分野等
 改選時の抱負

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■会 長

安西 祐一郎(ANZAI, Yuichiro)(慶大昭44卒) 慶應義塾 塾長

[改選時の略歴] 1974年慶應義塾大学大学院工学研究科博士課程修了, 工学博士. 北海道大学助教授を経て,1988年慶應義塾大学理工学部教授, 1993年同学部長, 2001年現職.知的情報処理ほかの研究に従事. カーネギーメロン大学客員助教授, マギル大学客員教授, 本会研究会主査, 理事, 領域委員長, 調査研究運営委員長, 副会長等を務めた.

[改選時の抱負] これからの本会は, 多彩な発展を続ける情報関連分野全般をカバーする学会として, 企業, 大学, 研究所をはじめ, さまざまな背景を持つ人々に対応できる魅力を持った, (a)基礎・応用といった伝統的区分にとらわれない『新しい多様な価値の創造』を担う場として, (b)情報関連分野に興味を持つ多世代の人々に役立つ活発な情報流通の場として, そして(c)情報関連分野全体の進展を促す活動の場として, 新たな飛躍を遂げていくべきだと思います. これからの本会における会長の役割は, 本会がこうした学会に脱皮していくための骨組みの構築を先導することにあります. とくに, 会員のできるだけ自由でオリジナルな活動を認め, そうした活動の中から新たな芽を起こし, 多様な価値を生み出し, 社会に認めさせ, 保護・蓄積し, 広く流通させることのできる学会になっていくための骨格構築を先導することにあります.私は, ここに述べたような学会として本会が未来に飛躍するための手助けができればと考えております.

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■副会長

旭  寛治(ASAHI, Hiroharu)(東大昭46卒) (株)日立テクニカルコミュニケーションズ 代表取締役社長

[改選時の略歴] 1971年(株)日立製作所入社.汎用コンピュータおよびスーパーコンピュータのオペレーティングシステム,グループウェア等の開発に従事.オープンソフトウェア本部長,ストレージソリューション本部長等を経て,2004年より現職.1977-78年米イリノイ大学留学.1999-2000年度理事.ACM会員.

[改選時の抱負] 今日,情報技術が社会を支える最も重要な基盤技術であることは論を俟たず,本会の果たすべき役割は大変大きなものがあります.情報技術の分野では米国が圧倒的な力を持っていますが,日本の技術水準を世界のトップレベルに高めるべく,大学,研究機関の研究者と企業の技術者とが連携して一層の努力を積み重ねる必要があります.本会は研究者,技術者の連携の場を提供し,その活動をリードする役割を担っています.また,本会は外に対しても開かれた学会であることが望まれます.折に触れ社会に対してメッセージを発信するとともに,一般の人々にも役立つ活動をしていく必要があると思います.学会ホームページの「コンピュータ博物館」はそのような活動の一つです.私はこの博物館を担当する委員会の主査を務めてきましたが,関係者の方々の努力のおかげで欧米のものと比べても引けを取らない内容になってきており,学会のPRに一役買っています.以上のような考え方に沿って精一杯やらせていただきたいと思います.

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■副会長

中島 秀之(NAKASHIMA, Hideyuki)(東大昭52卒) 公立はこだて未来大学 教授/学長

[改選時の略歴] 1983年東大大学院情報工学修了(工学博士). 同年, 電子技術総合研究所入所. 人工知能を状況依存性の観点から研究. マルチエージェントならびに複雑系の情報処理とその応用に興味を持っている. 2001年より産総研サイバーアシスト研究センター長. 2004年より現職.

[改選時の抱負] 最近, 情報通信ばかりではなく情報処理技術が大事だと考えています. 特に大きなソフトウェアシステムの構築技法や検証技術は社会的なニーズとなっています.それ以外にも様々な応用分野でより良い社会を構築することができるまでに情報処理技術は成熟して来たと思います. 本会の使命の第一義は研究者の支援にあると思いますが, 同時に情報処理研究者・技術開発者の社会的責任を果たして行く場でもあると考えます. しかしながら, このような情報処理技術の重要性は社会やマスコミでの認識が甘く, 特に国家戦略として情報処理の研究や人材育成(プログラマのみならずシステム設計者や研究者の育成など)を重要視する動きが鈍いように思います. 学会という組織を通して国やマスコミへの意見発信をする必要があると考えます. 私が副会長に就任しました暁には, 従来の活動に加え, 本会がこのような社会責任を果たすためのお手伝いをしたいと考えています.

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理事 [国際/企画担当]

青山 幹雄(AOYAMA, Mikio)(岡山大昭53卒) 南山大学数理情報学部情報通信学科 教授

[改選時の略歴] 1980年岡山大学大学院修士課程修了.1980-95年富士通(株)にて大規模通信ソフトウェアの開発と開発技術の開発・実践に従事.1986-88年イリノイ大学研究員.1995 -2001年新潟工科大学教授.2001年4月より現職. 1993年本会研究賞.ソフトウェア工学研究会主査,技術応用運営委員会副委員長.ソフトウェア工学の研究に従事.

[改選時の抱負] 現代社会の基盤となっている情報技術の中核学会である本会は,安全・安心で魅力ある社会を実現するために,学会員が社会全体と協力し,リードする期待と責務を担っていると思います.しかし,その期待を必ずしも満たせていないと思われます.この10年間,研究会,会誌編集委員会,技術応用運営委員会などの学会活動の現場で国内外の多くの方々と活動をしてきた経験から,以下のよう施策を提案いたします.  1) 本会の強みである「情報処理の理論から実践にいたる総合力」の活用,2)アジア太平洋地域での活動,ならびにグローバルな関連学会との連携を強化し,アジアを代表する学会への発展,3)産業界との連携の強化による実社会への貢献とリーダシップの発揮,4)学会運営の現場との連携を図り,会員のアクティビティの活性化,5)ネットワーク化時代に即した学会の知的資産の活用とネットワークを活かした学会活動の活性化.
本会の潜在価値を発揮し,学会員の活動を高め,社会をリードする活気ある学会を実現する戦略とその実現を図るために全力を尽くす所存です. 

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理事 [事業担当]

阿草 清滋(AGUSA, Kiyoshi)(京大昭45卒) 名古屋大学情報科学研究科 教授/研究科長

[改選時の略歴] 1970年京都大学工学部卒業.1974年同大学院博士課程中退し京都大学情報工学科助手.同講師, 助教授を経て, 1989年より名古屋大学工学部教授.現在,同大学院情報研究科情報システム学専攻教授.名古屋大学情報科学研究科長.工学博士.専門分野は,ソフトウェア工学, マンマシンシステム, プログラミング環境.

[改選時の抱負] 国立大学は法人化され,大きな変革の契機を迎えたが,その大学運営に変化は感じられない.組織はその設置目的・意義を達成するために,常に自己改革することで環境に適合させる必要がある.次世代において自分の属する大学がどのようなポジションを得ているかは,変革の機会を適切に対処するかによる.これは学会という組織についても言えることである.学会の置かれている状況を適切に判断し,次世代につながる運営が求められる.本会は産の研究者と学の研究者が交流する場であり,それぞれの持ち味を生かして,情報関係の研究者・技術者の評価が高まるような方向を目指すべきである.情報技術は研究成果が製品化されやすいものであり,産と学との連携の意義は大きい.大学における研究の視点をあまりに近い将来に置くことは必ずしも好ましいものではないが,情報技術はある意味で本質的に近未来的な研究の側面を持つ.このため,本会はその産と学の連携促進の役割を果たす必要がある.そのための企画力の強化に貢献できればと思う.

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理事 [会誌担当]

石田  亨(ISHIDA, Toru)(京大昭53卒) 京都大学情報学研究科社会情報学専攻 教授

[改選時の略歴] 1978年京都大学工学部情報工学専攻修士課程修了.同年日本電信電話公社入社.1991年NTTコミュニケーション科学研究所主幹研究員.1993年京都大学工学部情報工学科教授.1998年より現職.ミュンヘン工科大学, パリ第六大学, メリーランド大学, 上海交通大学客員教授.工学博士.IEEE Fellow.平成14-15年度本会理事.専門分野は,人工知能, コミュニケーション, 社会情報システム.

[改選時の抱負] 本会は情報社会のオピニオンリーダとしての役割を果たしているでしょうか.情報社会の将来に向けて,ビジョンを発信しているでしょうか.行政の審議会,学会の理事会などでの議論も大切ですが,研究会でのオープンで自由な討論がオピニオンリーダを育てていくのではないかと思います.現在,本会の研究会は,コンピュータサイエンス,情報環境,フロンティア領域に別れていますが,これに情報社会領域を加え,情報経済,電子商取引,知財,セキュリティ,情報政策,CMC,社会ネットワークなどの研究会を構成してはどうでしょう.産官学の議論と連携を,個人の立場で実現できる自由でオープンな場を,本会が提供できるよう微力を尽くします.

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理事 [教育担当]

富田 悦次(TOMITA, Etsuji)(東工大昭41卒) 電気通信大学電気通信学部情報通信工学科 教授

[改選時の略歴] 1971年東京工業大学大学院博士課程修了.工学博士.東京工業大学助手.電気通信大学助教授を経て,現職.本会会誌編集委員会主査,論文誌編集委員,MPS研究会主査等を務めて,現在コンピュータサイエンス領域委員長.本会フェロー,電子情報通信学会フェロー.船井情報科学振興賞受賞.専門は理論計算機科学とその実際的応用.

[改選時の抱負] 情報処理技術は社会生活のあらゆる面において必須の基盤をなし,その中核を担う本会の使命は一段と大きなものとなっています.ここにおいて,産官学の垣根を乗り超えた,新しい他分野も取り込んでの活発な交流が必須であり,国内外の他学会とも積極的に協調・連携を図り,国際化を進めることが重要と考えます.また,次代を担う若手技術者を育て,社会に対しても情報処理の重要性を強く発信していくことが必要です.これらを実現する場としてこそ学会を大いに活かすべきです.そのためには,学会活動全体の基盤を支える研究会,研究グループの自由な発想に基づく自主的活動を積極的に推奨支援することが大切であることを,これまで研究会主査,領域財務委員,領域委員長等として継続的に学会活動に携わってきた経験より痛感しています.研究会の現場の声を学会運営によりよく反映させ,それを通して学会全体の一層の活性化と発展を図り,一人でも多くの方が本会に加わって,自ら進んで積極的に活動したくなる様な体制を作ることに全力を尽くしたいと思います.

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理事 [電子化担当]

萩原 兼一(HAGIHARA, Ken-ichi)(阪大昭49卒) 大阪大学大学院情報科学研究科コンピュータサイエンス専攻 教授

[改選時の略歴] 1979年大阪大学大学院博士課程修了.工博.1993年奈良先端科学技術大学院大学教授,1994年より大阪大学教授.分散/並列アルゴリズム,高性能計算,並列処理応用の研究に従事.本会会誌編集委員(地方委員),関西支部幹事等を歴任し,アクレディテーション委員,学会選出JABEE基準委員会・大学院分科会委員

[改選時の抱負] 本会は,IT分野に関係する産官学の交流および研究発表の場を提供するという役割のみならず,最近は文部科学省を中心とする官とは異なる立場で,大学教育の質の向上を目指すための教育評価に中心的役割を果たすまでになってきています.さらに,医学・理学・薬学などの他分野は,例えば,“高性能計算は,理論と実験とが見逃した現象を発見している”などと,情報分野の力を必要としています.それに対して,情報分野では基本的な枠組みのみを提供することでその使命を果たしていると思いがちですが,さらにもっと多くの助力をしなければ,実際に有用なものにはなりません.そして,そのように手を差しのばすことで,IT分野自身のさらなる発展につながります.そのために本会が果たすべき新たな役割があるはずです.高レベルな意味でIT分野の利益を守るという,本来の「学会」となるためには,まだギャップがあるようです.このギャップを少しでも縮めることに,微力ながらお手伝いができれば幸いです.

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理事 [調査研究担当]

橋田 浩一(HASHIDA, Koichi)(東大昭56卒) 独立行政法人産業技術総合研究所情報技術研究部門 副部門長

[改選時の略歴] 1986年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了.理学博士.1986年電子技術総合研究所入所.1988年から1992年まで(財)新世代コンピュータ技術開発機構に出向.2004年7月より産業技術総合研究所情報技術研究部門副部門長.専門は自然言語処理,人工知能,認知科学. 

[改選時の抱負] ユビキタス情報社会は,ポスト工業化社会・知識循環型社会でもあります.そこでは,情報技術の恩恵をあらゆる人々に行き渡らせるだけでなく,あらゆる人々の主体的な社会参画を情報技術で支援することが求められています.それには,ソフトウェアを含む情報コンテンツの意味を人間とコンピュータとの間で体系的に共有する技術が必要でしょう.そうした技術が普及すれば,その副作用として,情報技術が多くの人々にとって身近なものとなり,情報機器や情報ネットワークの仕組が多くの人々に見えるようになると考えられます.ユビキタス情報社会においては,コンピュータがわれわれの生活から見えなくなるというよりは,情報技術に関する社会の認知が高まり,情報技術に対する世間の評価と期待がより正確なものになるのではないでしょうか.そのような社会の実現に向けた学会の運営に微力ながら貢献したいと思います.

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理事 [総務担当]

平川 秀樹(HIRAKAWA, Hideki)(京大昭53卒)   Chief Technology Officer Toshiba of Europe Ltd.

[改選時の略歴] 1980年京都大学大学院工学研究科修士課程修了,東京芝浦電気(株)入社.新世代コンピュータ技術開発機構研究員,MIT派遣研究員,東芝研究開発センターラボリーダ,東芝ソリューション社参事等を経て2004年10月より現職.自然言語・知識処理の研究開発・事業化に従事.本会論文誌編集委員,電子情報通信学会NLC委員長等を経験.

[改選時の抱負] インターネットに代表されるIT技術の浸透により,社会全体が早い速度で大きく変わりつつあります.企業においてもグローバリゼーションが進み,オフショアでの生産から開発・研究まで含めた交流・連係が益々強化され,いわゆる競争と協創の機会が増えてきています.こうした状況では,新しいアイデアや先端的な研究の成果を早期に市場に投入し,新しい芽を発掘・育成することを,学術界から産業界に渡って旨く連係して行うことが1つの重要な課題になっていると思われます.本会は,学術発展・深掘の活動をベースに,良質の情報や交流の場・機会を幅広くかつグローバルに提供することを通して,こうした課題に対する重要な役割を果たし,IT業界や社会に対する価値を益々発揮できると考えます.私は,企業,国家プロジェクト,大学の研究機関での研究・開発の経験ならびに新技術の製品化とお客様・市場への展開の経験を生かし,学会の発展を通してITの発展に寄与できるよう努力してゆきたいと考えています. 

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■理事 [論文誌担当]

平田 圭二(HIRATA, Keiji)(東大昭57卒) NTTコミュニケーション科学基礎研究所 特別研究員

[改選時の略歴] 1987年東京大学大学院情報工学博士課程修了.工学博士.同年NTT基礎研究所.1993年音楽情報科学研究会主査,会誌編集委員.2001 年よりフロンティア領域委員長,論文誌特集企画グループ委員.本会論文賞,山下記念研究賞,大会優秀賞受賞.音楽知識処理およびインタラクション研究に従事.

[改選時の抱負] 私はこれまで研究会運営委員,主査,フロンティア領域財務委員,同領域委員長と,主に研究会の設立や運営に携わって参りました.その間,準登録制度の提案,フロンティア領域合同研究会 FJK '98, 2000 の企画,実施に加わりました.現在,本会員2万2千人中,研究会未登録の方が1万9千人いらっしゃいます.そのような会員の皆様に研究会の活動をもっとよく知っていただき応援していただくことが,研究会活動と学会全体のより一層の活性化につながると考えています.またこれまであまり関連がなかった異分野や応用領域との学際的な研究が幾つも立ち上がっています.本会のさらなる発展にとって,研究会の現場レベル発の積極的な学際的学術交流は欠かせないものと考えています.私も研究や開発において,人と人のつながりは非常に大切だと思っています.微力ですが,会員レベルでの研究会と研究会未登録の皆様との深いつながりを築くことと,研究会と他分野との有意義な学術交流を実現したいと思います.

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理事 [財務担当]

前田 章(MAEDA, Akira)(東大昭53卒) (株)日立製作所システム開発研究所 所長

[改選時の略歴] 昭和53年東京大学理学部物理学科卒業,昭和55年同大学院理学系研究科修士課程修了(物理学専攻).昭和56年(株)日立製作所システム開発研究所入社.衛星・医用画像処理技術,知識情報処理技術等の開発に従事.平成15年4月より現職.工学博士(東京大学). 

[改選時の抱負] この10年のコンピュータ技術の進歩はめざましく,個人では使い切れないほどの計算能力・記憶容量が安価に入手できるようになりました.その一方で,この技術を活用したPCやデジタル家電などのハードウェアのコモディティ化が進み,激烈なグローバル競争の中で日本のIT産業の多くは苦戦を強いられています.こういう時代であるからこそ,新しいソフトウェア・アプリケーション・サービスによって付加価値を生み出していくことが求められており,本会の分野である情報処理技術に対する期待が高まっていると考えています.私は企業の研究所で20年以上にわたってソフトウェア技術・システム技術の研究開発に従事してきました.今後は学会活動との連携を強化することによって,IT分野における日本の競争力強化に向けた取り組みを進めていきたいと考えています.

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理事 [調査研究担当]

今井  浩(IMAI, Hiroshi)(東大昭56卒) 東京大学情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻 教授

[改選時の略歴] 1986年東京大学情報工学博士課程修了, 工学博士. 同年九州大学情報工学科, 1990年より東京大学. 離散幾何アルゴリズムとともに, 2000年よりJST ERATO 今井量子計算機構総括責任者として量子情報科学の研究に従事. 本会論文誌編集委員, AL研究会幹事, 同主査, CS領域財務委員. 本会学術奨励賞, 論文賞受賞.

[改選時の抱負] 多くの学会が会員数減に見舞われる中, 本会はコンピュータ科学の基軸を継続的に発展させ, 新展開を図ることによって, 学会の魅力を増すことが必須となっています. 研究会活動はその中核をなすもので, 基幹分野を発展させ, 新規分野のインキュベーションを行う母体となるものです. これまでに研究会・FIT活動の中で, 新計算パラダイム展開としての量子情報科学プロジェクトを推進し, ナノテク研究を物理デバイスに限らない新情報処理分野とすることに注力してきました. 学会関係では編集・庶務等の仕事も経験し, 本会が研究成果の品質保証をしてその宣伝もする重要さを認識し, 学術情報発信について文科省WG等を通して電子ジャーナルを用いた国際的情報発信に向けた活動をして参りました. このような経験を生かし, 財務的に健全な経営の下で研究会活動が遂行できるとともに, 新分野展開の前進や電子ジャーナルの推進を通して日本の情報科学技術の国際的な地位の確立への道標を示すことに貢献できればと思います.

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理事 [教育担当]

岡本 栄司(OKAMOTO, Eiji)(東工大昭48卒)  筑波大学大学院システム情報工学研究科 教授

[改選時の略歴] 1978年東工大大学院博士課程修了. 工博. 日本電気, 北陸先端大, 東邦大を経て2002年より現職. 情報セキュリティの教育・研究に従事. 1990年電子情報通信学会論文賞, 1993年本会ベストオーサ賞受賞. IEEE Information Theory SocietyのAssociate Editor, IJIS (International Journal of Information Security) のEditor-in-chief.  

[改選時の抱負] われわれの社会を取り巻く情報環境は, 急速な進歩を遂げると同時に, 極めて複雑化してきています. すなわち, 生活における快適さと同時に, 犯罪や不正行為, あるいはエラーによる危機など, マイナス面も起きており, このため学会の役割は非常に重要性を増してきています. 学会の最も重要な役割は, 研究者一人ひとりが持つそれぞれの叡智を皆が共有するためであり, これなくして現在の情報化社会は到来していないでしょう. この意味で, 本会は情報技術のプラスを伸ばし, マイナスを抑える社会的責任もあります. 私は, 今までこのマイナスを抑えるための研究・教育を行ってきました. 特に, 暗号技術を核とした情報セキュリティについてわが国の研究第一世代の一人として研究を続け, それを基盤として教育, 普及, 国際化に努めてまいりました. 本会のコンピュータセキュリティ研究会設立, IJISの発刊などはその例です. 今後は, これらの経験を活かすと同時に, プラスを伸ばすことにより, 広く, 本会が社会の要請にこたえられるよう, 努力するつもりです.

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理事 [総務/電子化担当]

勝山光太郎(KATSUYAMA, Kotaro)(阪大昭51卒)  三菱電機(株)情報技術総合研究所情報技術部門 統轄

[改選時の略歴] 1976年3月大阪大学基礎工学部制御工学科卒業. 同年4月三菱電機(株)入社. 研究所にて通信ソフトウェア, 分散処理システム, 情報セキュリティ等の研究開発に従事. 2005年4月より現職. 本会研究賞(1991年度). 本会標準化貢献賞(2000年度). 1991年慶應義塾大学より工学博士.  

[改選時の抱負] 携帯電話の普及や情報家電, 車載機器, ICタグ, センサーネットワークなどの進展に代表されるユビキタス社会の発展とともにますますITの重要性が高まっています. またバイオやナノテクノロジーなど様々な領域との技術融合が必要となってきており, 本学会のカバーする範囲も広がりを見せています. そうした中, 本会にできるだけ多くの人が参加できるような情報交換, 情報発信の場を提供することが重要になってくると考えます. 特に産学連携において, 本会の果す役割は非常に重要であると考えます. 学会が場を提供し, 触媒となり研究活動を活性化させることが重要となります. 最新の技術へのチャレンジや標準化, あらゆる分野へのアプリケーション開発, そして何よりも若手技術者や学生の斬新なアイデアと発想を世の中に送り出してゆく仕組みが必要です. 企業で研究開発の成果を事業に結び付けてきた経験を活かし, 実り豊かな情報化社会の構築と21世紀の情報科学の進展に寄与させていただく所存です.

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理事 [論文誌担当]

坂井 修一(SAKAI, Shuichi)(東大昭56卒)  東京大学大学院情報理工学系研究科電子情報学専攻 教授

[改選時の略歴] 1981年東大理学部卒. 1986年同工学系博士課程修了. 工学博士. 電総研, MIT, RWC, 筑波大を経て1998年東大助教授, 2001年同教授. 情報処理システムと応用の研究に従事. 日本IBM科学賞, 市村学術賞, IEEE論文賞等受賞. 本会では, 研究賞・論文賞各受賞, 論文誌編集委員会主査, 会誌編集委員等.

[改選時の抱負] 情報処理という学問技術のカバーする範囲も, 基礎的先進的諸分野から, コンピュータ, インターネットなどの社会インフラ, メディアコンテンツ等の応用まで広範なものとなり, なおかつそれぞれの分野の進展するスピードもすさまじいもので, 当然ながら本会の役割はますます重くなってきています. 中でも社会インフラとして重要なのは, ユビキタスを含む超並列超分散システムの効率・省電力・信頼性・安全性であり, 私がこれまで専門としてきたのがこの分野です. これからの時代の「情報処理」は, 真に人間的な豊かさのために, 利便性だけではない, 安心安全だけでもない, ずっと広い海へと漕ぎ出していく必要がありましょう. それは, 私たちの生活全般や文化芸術にも関わりつつ, この社会全体の「優しさ」「楽しさ」「奥深さ」を大きくしていく営為なのではないかと思います. 本会での活動を通じて, 私は, 情報処理の基礎, システムから応用までを総合的に新しくし, さらに進めていくために微力を尽くしたいと切望しております.

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理事 [財務担当]

玉置 政一(TAMAKI, Masakazu)(京大昭54卒)  (株)NTTデータ基盤システム事業本部 企画部長

[改選時の略歴] 1979年京都大学工学部卒業, 同年日本電信電話公社(現NTT)入社. 通信プロトコル, マルチメディア通信, ドキュメント処理サービス, ナレッジマネジメントなどの研究開発に従事. 現在, (株)NTTデータ基盤システム事業本部企画部長. マルチメディア通信と分散処理研究会幹事(1997-98年).

[改選時の抱負] 情報処理技術は企業のコアコンピタンスを形成する重要な要素になってきているだけでなく, すでに産業を支える基盤技術になってきています. このような中で, 様々な社会分野において情報処理技術の効果的な活用方法を考えられる人材が必要になってくると考えています. このためには, 大学と企業が連携し, 若手技術者, 研究者に社会における情報活用の考え方を早い段階から教えていく必要があると考えています. 本会はこのような動きを促進する場になるのではないでしょうか? 企業において長年, 研究開発から事業開発に携わってきた経験を生かし, 社会, 企業のニーズをフィードバックすることを通じて本会のさらなる発展に微力ながら貢献していきたいと思います.

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理事 [調査研究担当]

中島  浩(NAKASHIMA, Hiroshi)(京大昭54卒) 京都大学・学術情報メディアセンター 教授

[改選時の略歴] 1981年三菱電機(株)入社, 1991年京都大学博士(工学), 1992年京都大学工学部情報工学科助教授, 1993年より東京大学理学系研究科助教授併任, 1997年豊橋技術科学大学情報工学系教授,2006年より京都大学・学術情報メディアセンター教授. 第五世代コンピュータプロジェクトにて推論マシンの研究開発, 重点領域研究「超並列原理に基づく情報処理基本体系」などにて分散共有メモリマシン JUMP-1 の研究開発に従事. 2001年より, 戦略的創造研究プロジェクト「低電力化とモデリング技術によるメガスケールコンピューティング」を主宰. 本会計算機アーキテクチャ研究会幹事, 同主査, ジャーナル編集委員, トランザクション(HPS, ACS)編集委員長などを歴任. 現在SACSIS運営委員長. 元岡賞, 本会坂井記念特別賞受賞.

[改選時の抱負] 会員減少や学会財政の危機が叫ばれて続けていますが, 本会のサービスのあり方について対象・方法・収支構造などを整理し, 多様な会員ニーズに対応可能な複数のビジネスモデルを構築すべき時期に来ていると考えています. 特に重要なポイントは, 研究会を中心とした日本の情報処理技術のフロンティアにおいて, その最大戦力である若手研究者・技術者が活躍できる場として本会を利用できるような環境構築だと考えています. これまでの研究会, シンポジウム, トランザクションでの経験を踏まえ, 本会においてのみ享受できるサービスを若い方々が自らの手で創出できるように, 研究会の皆様とともに尽力したいと望んでおります.

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理事 [会誌担当]

長谷川 亨(HASEGAWA, Toru)(京大昭57卒)  (株)KDDI研究所 執行役員/IP・ネットワーク分野担当

[改選時の略歴]  昭和57年京都大学工学部情報工学科卒業, 昭和59年修士課程修了. 同年KDD(現KDDI)入社. 以来, 通信ソフトウェア, 高速プロトコル, IP放送, インターネットの研究に従事. 2000年より国立情報学研究所客員教授, 放送コンピューティング研究グループ幹事. 京都大学博士(情報学).

[改選時の抱負] ITインフラとしてのインターネットの役割が高まるとともに, 低い安全性や品質が問題となり, さまざまな改善が試みられています. しかしながら, IT社会がダイナミックに変動している21世紀においては, インターネットの付け焼刃的な改善でなく, ネットワークアーキテクチャをスクラッチから見直したITインフラの実現が必須です. コンピュータとネットワークの専門家が集う本会は, 次世代ITインフラを支えるネットワークアーキテクチャの創出に対して, 重要な責務があります. これに対して, 本会が産学の橋渡しの場を提供するとともに中心的な役割を果たせるよう, これまでの企業での研究開発の経験をベースに努めたいと思います. また, IT技術の国内外への発信も本会の重要な責務であり, 理事就任の暁にはこれまでの海外研究機関との共同研究や標準化活動の経験を基に, 論文誌・学会誌による広報活動, さらには学会の国際交流に尽力する所存です.

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理事 [企画担当]

松井くにお(MATSUI, Kunio)(静大昭55卒)  (株)富士通研究所ナレッジ研究センター 主管研究員

[改選時の略歴] 自然言語処理, 情報検索, ナレッジマネージメントシステムの研究開発に従事. 1996-98年にデータベースシステム研究会にて日本語情報検索システム評価用ベンチマークBMIR-J1/J2を作成, 厚生省電子カルテ研究班班員を歴任. 現在, 特定非営利法人言語資源協会副会長. 日本規格協会ISO/TC37国内対策委員. 1981年より本会会員. 工学博士.

[改選時の抱負] 本会は, 幅広く情報処理技術の研究活動を支えている国内唯一の学会です. ここ数年, 「ITバブルの崩壊」とも呼ばれることもありましたが, 検索連動型広告ビジネスモデルの急速な台頭の例にあるように, 情報処理技術の応用分野は新たなビジネス展開を見せています. 私は, 本会の本来の活動である情報処理技術の高度化に対する貢献, 各種技術の蓄積を維持しつつも, 大学, 産業界における利用分野の研究開発を支えていくことも考えていきたいと思っています. そのためには, (1)的確な情報発信を積極的に行っていくこと, (2)学会員のみならず広く意見やコメントを求めていくこと, (3)本会が自らITを駆使することによって情報の分析を行っていくことが重要と考えています. こういった活動を通して, 会員数の減少を食い止め, 大学, 産業界の研究をさらに推進, 支援する施策を多くの会員の方とともに考えていきたいと思います.

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理事 [事業担当]

村山 優子(MURAYAMA, Yuko)(津田塾大昭48卒)  岩手県立大学ソフトウェア情報学部 教授

[改選時の略歴] 1973年津田塾大学学芸学部数学科卒業. 企業を経て, 1992年University College London博士課程修了. Ph. D. (ロンドン大学). 1992年慶應義塾大学非常勤講師, 1994年広島市立大学講師, 1998年岩手県立大学助教授. 2002年より同大学教授, 現在に至る. インターネットおよびセキュリティの研究に従事. 本会DPS研究会連絡委員, 論文誌編集委員, CSEC研究会幹事を歴任し, 現在CSEC研究会主査. セキュリティ委員会委員長, 学生会員育成委員.

[改選時の抱負] 情報処理の世界は, 今やシステムやサービスの技術提供だけに留まらず, それらを利用する社会の様々な問題と直接関ってきています. 本会が創立された頃は, ほとんど夢とされたであろう技術が現実となり, 社会は発展するとともに新たな問題も起きています. このような中, 本会は, 情報社会基盤技術を率いる専門家集団の組織として, 社会への貢献も期待されています. このような期待に応えるためには, 本会からのスピーディでタイムリーな情報発信が必要となります. 権威ある学会としての活動に加え, 会員の増員も重要な課題です. 研究者や技術者が本会に参加したくなるような魅力のある自由な活動の場を創出する必要があります. 本会をさらに活気ある組織にするため, 微力ながらお手伝いができば幸いです.

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理事 [国際担当]

安信千津子(YASUNOBU, Chizuko)(東大昭52卒)  (株)日立製作所ビジネスソリューション事業部 主管技師

[改選時の略歴] 1977年東京大学工学部計数工学科卒業. 同年(株)日立製作所入社. システム開発研究所, (株)日立総合計画研究所を経て, 2004年4月より現職. 博士(工学). 2003年より本会会誌編集委員. 2004年より東京電機大学非常勤講師. 知識処理, 数理技術を応用した金融分野等情報システムの研究開発と事業化に従事.

[改選時の抱負] 情報処理技術は, いつでもどこでも人が意識しなくても情報システムを利用しているというユビキタス情報社会をうみだしました. 従来からの情報システムもトラブルが新聞の大見出しになるほど, 社会に直接影響を与える存在になっています. もはや情報システムは社会のインフラストラクチャであり, ITはビジネスや生活を大きく変革します. 私は企業で, 新しいアプリケーションシステムの研究開発, 総研のリサーチャーとして海外調査研究や提言活動, 事業部でソリューション開発やコンサルティング活動に取組み, ITをアプリケーションから見てきました. また, 会誌編集委員として「アメリカITまわりの話題」を担当し, 海外で活動する会員(OB)の方の視点を伝えてきました. 本会は活動する女性の割合も高いと思います. ITが支える心地よい社会に向けて, 若いIT研究者, 技術者が夢と誇りをもって活動できるよう, それに本会が潤滑油として役立つよう, 微力でも貢献できれば大変嬉しく思います.

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監 事

水野 忠則(MIZUNO, Tadanori)(名工大昭43卒) 静岡大学情報学部 教授/情報学研究推進室長,理工学研究科副研究科長]

[改選時の略歴] 昭和20 年生.昭和43 年三菱電機(株)入社.平成5 年静岡大学工学部情報知識工学科教授,現在,情報学部情報科学科教授.工学博士.ネットワークに関する研究に従事.本会標準化委員会委員,会誌編集委員会委員,MBL研究会主査,理事等歴任.現在放送コンピューティング研究G主査,DICOMO運営委員長.本会フェロー.

[改選時の抱負] IT業界は,プロ野球の再編において複数社が参入の意志を表明するなど,業界自体としては,ますますの発展が期待される分野である.そして,ITの発展により,情報処理に関わる技術者数は,増加の一途を辿っている.しかしながら,本会は,この恵まれた環境をうまく取り込めないできているように思われる.いわゆる学会と産業界の指向ベクトルの乖離に起因するものである.本会が日本におけるITに関する産官学のリクワイアメントを的確に受け取り,学会事業に反映させていく必要がある.このためには,産官学の声を今まで以上に反映させることができるように,その第三者評価等を行って,10年程度の先を見越し,それに対応可能な組織体制を構築するための手を的確に打っておく必要がある.また,個人情報保護に対する処理,予算の効率的な使用,大学・産業界への的確なサービス,未来を見据えた新しい技術分野の開拓等に関して,時代の要求に適合できるよう学会の舵取りを行っていきたい.

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監 事

調  重俊(SHIRABE, Shigetoshi)(九大昭46卒) 東芝情報システム(株) 取締役付き

[改選時の略歴] 1971年(株)東芝入社.コンパイラ, ミドルウェアの開発に従事. 2004年東芝情報システム(株)入社, 現職に至る. 1999-2000年本会理事.

[改選時の抱負] ITは社会基盤を構成する重要な要素であり, 日常生活の隅々にまで入り込み, いまや欠かすことができない存在となっています. 健全な情報化社会実現に向けて, 本会には重要な役割を果たすことが期待されています. そのためには, 本会が, 大学や企業の研究者, および企業の第一線の技術者の双方にとって魅力ある存在にならなければなりません. そして, 研究者間, あるいは技術者間での切磋琢磨だけではなく, 両者の間でのインタラクションによる切磋琢磨の場を提供しなければなりません. しかしながら, 現状は, 産業界にとっての本会の魅力が色褪せており, 産業界の会員数減少という深刻な問題が行く手に立ちはだかっています. 産業界との間のコミュニケーションパスを太くし, そのニーズを的確に取り込み, 研究者と技術者の双方にとって魅力ある学会を実現するために, 監事としてなし得る限りの努力を行って参ります.

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