イベント企画
地域医療と異文化コラボレーション
9月7日(水)14:30-17:30
第1イベント会場 (函館大学 2F大講義室262)
【セッション概要】日本社会全体の高齢化に加えて大都市への人口集中が進展する中で、地域住民への適切な医療サービス提供および健康生活の支援のために地域医療の役割は増大している。特にICT技術を活用して地域の医療、健康、介護に関わる人々が総合的に関わることを可能とする社会医療システム構築が必要となっている。このようなシステムの実現・運用には、医療情報技術の開発にとどまらず、異なる知識・文化・背景を持つプロフェッショナルおよび住民の間で円滑な異文化コラボレーションを実現することが重要な課題である。本シンポジウムでは、医療の現場従事者、医療情報処理技術者、医療コミュニケーション研究者など関連分野の実務者および研究者にそれぞれの立場から現状と問題点を報告いただき、今後の方向について議論を行うことを目的とする。
司会:片桐 恭弘(公立はこだて未来大学 システム情報科学部複雑系知能学科 教授)
【略歴】1981年 東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。NTT基礎研究所研究員、ATRメディア情報科学研究所所長などを経て、2005年から現職。
14:30-14:40 オープニング
14:40-15:20 講演-1 医療情報の利活用の拡大と地域見守り推進事業
山本 隆一(東京大学 情報学環境/医学部付属病院 准教授)
【講演概要】それぞれの機関で閉じていた医療情報の利活用の拡大はここ数年の大きなテーマの一つであり、我が国でもいくつかの取り組みが
産官学を挙げて行われている。その現状と問題点を紹介したい。
【略歴】1979年 大阪医科大学卒業、1986年 大阪医科大学第一病理学助手、大阪医科大学病院医療情報部助教授を経て、2003年より現職。
15:20-16:00 講演-2 シームレスな医療・介護連携の実現に向けて ~地域見守り型サービスを通した連携文化の育成~
高橋 肇(特定医療法人社団 高橋病院 理事長) 
【講演概要】函館の地域病院を中心とした医療と介護とをつなぐICT技術を利用した地域見守り型サービスの試みについて紹介する。
【略歴】1984年 北海道大学医学部卒業、同大学循環器内科入局、1992年 札幌厚生病院循環器内科医長、1996年 高橋病院院長、2001年より現職。
16:00-16:40 講演-3 災害時の地域医療と地域のコミュニケーション
三浦 純一(福島県須賀川市公立岩瀬病院)
【講演概要】東日本大震災時に福島県須賀川市の地域中核病院が経験した地域とのコミュニケーションについて検討する。震災とそれに続く福島第一原発の事故により、須賀川市は物理的な被災だけではなく放射線被曝という重荷を背負った。その中で病院と地域住民がとまどいながらも連携した事例を提示する。
【略歴】1979年 福島県立医科大学卒業、同大学第一外科入局、1996年公立岩瀬病院外科部長、2011年より現職。福島県立医科大学 臨床教授(外科学)を兼務。
16:40-17:05 講演-4 診察室における電子カルテとコミュニケーション ~大規模病院と診療所の事例から~
南部 美砂子(公立はこだて未来大学 システム情報科学部情報アーキテクチャ学科 准教授) 
【略歴】筑波大学大学院博士課程心理学研究科修了、東京大学大学院総合文化研究科21世紀COEプログラム「心とことば―進化認知科学的展開」特任研究員を経て、2005年4月より現職。
17:05-17:30 講演-5 精神保健にとってなぜ地域医療が必然なのか ~多くの人を巻き込む多相的コミュニケーションへのいざない~
榎本 美香(東京工科大学 メディア学部メディア学科 助教)
【略歴】1995年 神戸大学教育学部卒業、2006年 千葉大学大学院自然科学研究科博士課程修了、東京農工大学工学府・工学部 産学官連携研究員を経て2008年より現職。