抄録
RJ-006
黙声認識のための口唇周辺表面筋電波形におけるウェーブレット係数の重心推移法に基づく特徴
○永井秀利・宮武一志・中村貞吾(九工大)
我々は,口パクで声を出さずに発声した内容を口裂周辺から頸部の表面筋電に基づいて認識(黙声認識と呼ぶ)することを目指している.表面筋電信号に基づいて活動の特徴を得る場合,信号の強度を用いるのが一般的である.しかし,連続発声時の口唇の動きのように短時間での頻繁な筋活動変化を伴う場合,発声の強弱に依存した信号強度の変動も相まって,表面筋電信号の強度のみから安定した特徴を抽出することは難しい.そこで本稿では,発声活動時の表面筋電信号のウェーブレット解析結果における係数の変移に着目し,発声の強弱や計測感度の変動に対する耐性が高くて信号強度による特徴と併用することが可能な特徴を抽出する手法について述べる.