抄録
I-079
実画像復元のための有色性駆動源を含む2次元カルマンフィルタ
長保 龍・田邉 造・松江英明(諏訪東理大)・古川利博(東理大)
本論文は,有色性駆動源を含む2次元カルマンフィルタを用いた劣化画像復元手法を提案する.提案手法は,(i)復元したい複数の画素である注目画素領域とその領域に隣接する周辺画素領域に対応した原画像のみで構成される有色性駆動源を含む状態方程式と,(ii)その原画像に対応した画素とぼけ関数と雑音から構成される観測方程式を用いることで劣化画像復元を実現している.提案手法の特徴は,従来の2次元カルマンフィルタに必要であった自己回帰システムのコンセプトを用いずに劣化画像復元を行うことから,処理速度の向上と高性能な劣化画像復元が可能なことである.提案手法の有効性は実画像を用いた画像復元によって確認している.