抄録
I-005
フーリエ変換光学系における自由な奥行きで再生可能な計算機合成ホログラム
◎佐藤裕典・坂本雄児(北大)
計算機合成ホログラム(CGH)は光学的なホログラフィにおける記録の過程を計算機上でシミュレートし、表示デバイスに出力することで仮想物体の3次元像を得る技術である。表示デバイスの解像度に起因する、視域・視野の制限を改善する手法として、フーリエ変換光学系を用いる手法が提案されているが、仮想物体の再生はホログラム前方に制限され、奥行きのある物体の再生が難しかった。そこで、本稿ではホログラム前方か後方かにより、仮想物体の計算方法、共役像の除去処理を切り替えることで、フーリエ変換光学系においてホログラム後方でも仮想物体の再生を可能とするCGH計算法を提案する。実際に光学再生実験を行い、提案法の有効性を確かめた。