抄録
G-024
木構造のランダム生成と学習
◎和佐州洋・有村博紀・伊藤公人(北大)
感染症研究において,ウイルス種の性質と,その系統樹の木構造の形状は,密接な関係があると考えられる.本稿では,与えられた木によく似た形状を持つ木構造のランダム生成について考察する.従来,定数分岐数の根付き木の生成が主であったが,本稿では,分岐数を限定しない根付き木の確率的生成モデルを提案する.このモデルは,ディリクレ過程を用いて木の分岐構造を決める.計算機実験の結果,提案の確率モデルは,適切なパラメーターを設定することで,他の方法で生成した木構造と比較して,目標のインフルエンザウイルスの進化系統樹に近い木構造を生成できた.また,確率モデルのパラメーター学習についても議論する.