抄録
G-020
生体配列解析を改善する残基ペア間遷移量を用いた革新的手法
原 利英・佐藤圭子・大矢雅則(東理大)
 種の進化系統解析や生体配列(DNA 配列, アミノ酸配列など) の整列化といった生命情報科学分野でよく利用されている手法の多くにおいて,その手法の前提として生体配列における各サイトでの残基(塩基,アミノ酸など)の進化上の変異・欠損といった事象は,ほかのサイトでのこれらの事象と有意な相関がなく起きていると仮定している.この独立性の仮定を取り払うことでより高精度な手法が開発できる.ここでは,アミノ酸配列におけるアライメント手法の改善を例として提示する.具体的には,各サイトの残基ペアとその隣の残基ペアとの間の相関を考慮することで,生成されるアライメントの質がより高品質なものとなることを示す.