抄録
G-017
独立成分分析と多次元有向コヒーレンス解析を併用したα波の脳内伝搬分析
○阪田 治・鈴木 裕・脇 隼人(山梨大)
脳波を構成する特定の成分に由来する脳内情報の流れを可視化するための方法を提案する。多次元時系列間の因果性解析法の一つである多次元有向コヒーレンス解析法に独立成分分析を組み合わせ、特定の脳波成分に関連する有向コヒーレンスのみの抽出を行う方法である。この方法により、脳内のある特定の疾病や器質障害が引き起こしている脳内情報通信異常の発見や、同時に起こっているが脳内情報通信としては全く独立している複数の情報の流れをそれぞれ別々に観測することが可能になると思われる。本報告では提案手法の適用例として,健常者の多次元脳波中における情報の流れの中からα波に関連する情報の流れのみの抽出を試みた。