抄録
E-040
関係調を考慮したパラメータ共有HMMに基づく音響信号の自動和音認識の検討
◎杉山雄一・奥村健太・酒向慎司・北村 正(名工大)
音楽コンテンツの多様化・大規模化が進む中で,より柔軟な音楽検索が求められてきている.中でも音響信号の音楽的な解析による音楽検索は,未知楽曲への対応や蓄積データの不要性などから柔軟性が高い手法であるといえる.本稿では楽曲の印象を表す有効な特徴として和音進行に着目し,段階として音響信号の自動和音認識の問題を扱う.観測されたクロマベクトルの系列が和声学に基づく一定の規則性をもつと仮定し,和音の前後関係を考慮した詳細な環境依存HMMを考える.統計モデルの詳細化により学習が困難になる問題に対し,モデルパラメータに対するクラスタリングにおいて近親調の概念を導入し,有効性の検討および今後の展望について述べる.