抄録
E-039
パート間の調和を利用した合唱の基本周波数推定の検討
○河合彬弘・酒向慎司・北村 正(名工大)
自動採譜に関する要素技術として音響信号に対する基本周波数推定は盛んに研究されている.既存の研究では楽器音を対象とすることが多かった.理由としては音源数等の未知情報が多い基本周波数推定は楽器音に対してでも困難であり,歌声に対してはより難しいことが挙げられる.ここで独唱の重なりである合唱を考えたとき,音響信号がより複雑になり,推定が困難になることが予測される.しかし合唱は歌声の調和を楽しむものであり,この特徴を用いることで推定結果の向上が期待できる.本研究では,合唱の基本周波数にパート間の調和を利用するため、基本周波数の反復推定の際に主旋律に対してよく調和する周波数を初期値として与える実験を行う.