抄録
E-016
短い文節から成る演技音声の「怒り」と「喜び」の程度を表す発話の開始・終了の局所的特徴の研究
◎窪田恭紘・飯田 仁(東京工科大)
本研究では、感情を伴う音声の程度に関わる特徴を捉えることを目指す。程度が上がる毎に初頭と末尾の文節に韻律的変化が顕著に見られるという先行研究に基づき、初頭ならびに末尾の文節に着目する。同一の発話で劇団員に「怒り」もしくは「喜び」の感情を4段階の程度で発話してもらった音声から1~4文節のものを選び、初頭・末尾の文節のF0・短時間パワー・局所的発話速度それぞれの最大・最小値及びダイナミックレンジを抽出し、程度に応じてそれらがどのように変化するかを分析する。その結果、F0最大・最小値及び短時間パワー最大値に特徴的傾向が見られた。局所的発話速度については傾向が見られるのではないかという段階に留まっている。