抄録
B-041
多コアファイルサーバのメモリ回収遅延を削減する分割リクレイム方式
◎深谷崇元・松沢敬一・揚妻匡邦・中村隆喜(日立)
近年のプロセッサ微細化技術の発展により, 汎用サーバでも数十のCPUコア(コア)が使用可能となった. ファイルサーバにて多数のコアを使用した場合, メモリ不足時のメモリ回収処理遅延の悪化が問題となる. 我々は本問題を解決すべく, メモリ回収処理を低速なメタデータのキャッシュ回収処理と, 高速なページキャッシュの回収処理とに分ける分割リクレイム方式を提案する. 提案方式では, メモリ不足時に高速のページキャッシュ回収のみを行うことで遅延時間を削減する. 実機評価の結果, 提案方式により標準的なファイルアクセスパターンにおいてメモリ回収処理遅延を99%以上削減可能なことを確認した.