抄録
B-008
選択的関数展開によるソフトウェア高速化の検討
加賀洋渡・細木浩二・石川 誠(日立)
組込みシステム開発ではコストの観点から限られたリソースの中で最大限の性能を引き出すことが求められる。ここで必要となる性能最適化(チューニング)は、実機測定の可能となる開発後期に行われるため短期間での実施が求められる。またワークロードが多岐にわたる場合、手作業による最適化はコストが大きい。そこで本報告では、性能向上に一般的に用いられるinline展開において選択的に展開先を選ぶ手法を提案しコードサイズを抑制しつつ性能向上を実現する。具体的にはインライン展開箇所の判断を搭載メモリの種類や実行情報から自動で行い実施コストを削減する。提案手法を適用した結果、スループット14%向上とコードサイズ削減を確認した。