FIT2011 第10回情報科学技術フォーラム 開催:2011年9月7日~9日 会場:函館大学
共催団体:一般社団法人情報処理学会/社団法人電子情報通信学会情報・システムソサイエティ/社団法人電子情報通信学会ヒューマンコミュニケーショングループ 一般社団法人情報処理学会 社団法人電子情報通信学会 情報・システムソサイエティ 社団法人電子情報通信学会 ヒューマンコミュニケーショングループ
イベント企画
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サイバーワールドとリアルワールドとの接点 ~農業・漁業とサイバーワールド~
9月9日(金)13:00-15:50
第2イベント会場 (函館大学 3F講義室301)
【セッション概要】折しもTPP(Trans-Pacific Partnership:環太平洋戦略的経済連携協定)加盟の是非が問われる中、日本の農業・漁業といった第1次産業の国際競争力強化が叫ばれている。本企画では、昨今注目を浴びている農業・漁業とサイバーワールドとの接点に焦点を当てる。気象予測、屋外センサーネットワーク、植物工場、養殖のIT化、トレーサビリティの確保、産地直送Eコマースなど、農業・漁業とITとの融合が急速に進んでいる。農業・漁業事業者のIT化の取り組みと、IT側からの農業・漁業への参入の両面から、ビジネス・技術・研究に関して講演・議論を行なう。
司会:浜口 斉周(日本放送協会 放送技術研究所 研究員)
【略歴】2000年横浜国大工学研究科修士了。同年NHKに入局、放送技術研究所に勤務。2007~2008年米国Viewpoints Research Institute客員研究員。2010東工大イノベーションマネジメント研究科専門職修士了。2011年東工大総合理工研究科博士了。現在、次世代プラットフォーム研究部にてコンテンツ制作・記述・配信、ソーシャルメディアの研究に従事。技術経営修士(専門職)、博士(工学)。
13:00-13:50 講演-1 情報技術と農業・漁業
松原 仁(公立はこだて未来大学 システム情報科学部複雑系知能学科 教授)
【講演概要】一次産業である農業と漁業は従事者が減り続けてこのまま放っておくと成りたたなることが危惧されている。食の安全性という観点からも国としても戦略的にこれらをどのようにして存続させるかが非常に重要になっている。農業や漁業に対する従来の情報技術の貢献は限定的なものであったがいまや本格的な貢献が強く望まれており、またそれが可能になってきた。本講演でははこだて未来大学が農業と漁業への情報技術の本格的な貢献をどのように進めているかについて述べる。
【略歴】1981年東大理学部情報科学科卒。1986年同大学院工学系研究科情報工学専攻博士課程修了。同年通産省工技院電子技術総合研究所(現産業技術総合研究所)入所。2000年公立はこだて未来大学システム情報科学部教授。NPO観光情報学会会長、人工知能学会学会誌編集委員長、NPOロボカップ日本委員会理事。著書に「鉄腕アトムは実現できるか」、「ロボットの情報学」、「先を読む頭脳」など。
14:00-14:50 講演-2 農林水産研究支援の現場から-研究と研究成果を支える基盤構築
林 賢紀(農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波事務所研究情報課 収書管理係長)
【講演概要】農林水産省試験研究機関及び試験研究を行う6つの独立行政法人においては、合計100箇所近くにのぼる全国の研究拠点で様々な研究を行っている。その研究領域は多岐に渡り、従来の育種や飼養などに加え、近年ではITを活用した研究も多く行われている。例えば、スーパーコンピュータによるシミュレーションによるイネウンカ類の飛来源の特定や飛来時期の予測など、その例は多い。開催地函館の名産であるスルメイカについても、海水温や衛星画像等のデータから、そのサイズや分布密度の解析が行われている。今回は、このようなITを利活用した研究成果と、これを支える各種の情報サービス、ネットワークなどの情報基盤の構築について触れる。
【略歴】1970年東京生まれ。1993年に現在の所属である農林水産研究情報総合センターに採用、創世期にあったWebでの研究成果発信や研究支援への取り組みに始まり、現在では主として図書館システムや統合検索システムの開発と運用などに携わる。また、筑波大学大学院図書館情報メディア研究科博士後期課程に在学、農林水産研究に係る研究者の情報探索行動等についての分析や調査研究を行っている。
15:00-15:50 講演-3 BIGLOBEの農業ICTへの取組み
明石 剛(NECビッグローブ株式会社 事業戦略室 主任)
【講演概要】NECビッグローブは様々なインターネットサービスを提供する事業体であり、常にお客様への新しい価値創造に取り組んでいる。昨今、農業領域におけるICT活用の試みが増えている中、当社もインターネットを活用して本領域の課題解決に貢献したいと考えている。2010年2月に農業ベンチャー・マイファームと提携し、ネット対応型レンタル農園「BIGLOBEファーム」を開始した。ライブカメラやウェブコミュニティを用いて菜園者に新しい価値を提供する一方、少しでも耕作放棄地の削減に貢献できればという思いがある。また、インターネットを活用して生産者と消費者をつなげる新しい試みも幾つか紹介する。
【略歴】1974年生まれ。2000年日本電気株式会社に入社し、BIGLOBE事業本部にてインターネット事業戦略の立案に従事。2006年米クレアモント経営大学院ドラッカーマネジメントスクールに留学し、MBA修了。2008年NECビッグローブ株式会社に復職、BIGLOBEキャピタル株式会社も兼務し、M&Aやアライアンスによる事業開発に従事。2009年ソーシャルベンチャーのマイファームとの提携でBIGLOBEファームを開始。農業領域において更にインターネットを活用できないかと模索している。